上空12km付近における平均的な西風の季節変化を示した動画です。

対流圏上層の強い西風のことをジェット気流と言います。ジェット気流には,ハドレー循環によってできる亜熱帯ジェット気流と,移動性の高低気圧活動によってできる寒帯前線ジェット気流の2種類が存在します。この動画で目立つ強風域は主に亜熱帯ジェット気流に対応すると考えられますが,南半球では春や秋にこの2つのジェット気流が明確に分離する様子が分かります。しかし,場所や季節によってはこれらは明確には分離しません。

北半球と南半球のどちらにおいても,ジェット気流は冬に赤道寄りで強く,夏に極よりで弱くなる傾向があります。特に,中緯度の海陸配置や熱帯の降水分布を反映して,冬の日本の上空では,世界で最も強いジェット気流が平均的に吹いています。

(データ等の詳細)この動画の作成には,気象庁の長期大気再解析データJRA-55より,水平解像度1.25°の気圧面データを用いました。描画した変数は,200hPa面における西風の1981~2010年の平年値です。